TAMBA edit.|丹波市観光サポーターが選ぶ、「推し」ガイドVol.5
今回は、「(less) monoile」さんと、「monoile Wood Toy Museum」さんにお伺いしました。
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丹波市柏原町下小倉。
窓の向こうに田園と山並みが広がる、のどかな場所に「(less) monoile」はあります。
田植え前には水を張った田んぼが湖のように輝き、サギが舞い、初夏の夜にはホタルも姿を見せます。
木のぬくもりに包まれた店内で迎えてくれるのは、店主の吉竹麻衣子(よしたけ まいこ)さん。
ショーケースには、季節の果物で彩られたケーキがずらりと並びます。
ほかにもパンやクッキー、キッシュ、ホットサンド、地元野菜のポタージュなどを手づくりで提供しています。
大阪府堺市で育った麻衣子さんが料理に興味を持ったのは、小学校4年生の時に入った料理クラブがきっかけでした。
作ることが好きになり、やがて大人になりレストランのデザート部門やパン店で経験を積みます。
その後、夫で木工作家の吉竹宏泰(よしたけ ひろやす)さんとともに、丹波篠山市の使われなくなった保育園舎で「monoile」というカフェを始めました。
「monoile」という名前には、物や人など、いろいろなものが集まる入れ物のような場所にしたいという思いが込められています。
広い木造園舎を活用した店には、連日多くの人が訪れました。
多い日には100食ほどのランチを用意し、観光シーズンには長い待ち時間が生まれることも。
お客さんがランチを求めて訪れてくれることで、その期待に応えたいと料理を作り続ける一方、広い店の掃除や仕込み、接客、片付けに追われ、営業後に翌日の仕込みが終わる頃には夜遅くなっていました。
ランチ以外のケーキなどのメニューにもこだわりたいと思いながら、時間的な余裕をつくることは難しい状況でした。
店を始めた頃、吉竹さんご夫婦のお子さんはまだ1歳半。
自宅はもともと丹波市にあり、自宅から離れた店へ通う中で、子どもが「ただいま」と帰って来られる場所にいてあげたいという思いも、次第に強くなっていきました。
転機となったのはコロナ禍でした。
多くの人が集まる店だったため、感染が広がり始めると、いち早く通常営業を休止。
店内でのランチに代わり、お弁当やケーキのテイクアウトを始めました。
すると店内営業を休んだことで、これまで十分に時間を取れなかったケーキづくりにも向き合えるようになります。
「作っていたら、やっぱり楽しかったんです。自分はケーキを作りたかったんやなって思いました。」
もともと好きだった「作ること」に、もう一度向き合えた時間でした。
同時に、大勢のお客さんを迎え続ける働き方や、スタッフ一人ひとりに十分気を配れなかった環境も見直すようになります。
2022年、自宅近くにあった鉄工所として使われていた建物を改装し、現在の店へ移転しました。
移転のタイミングで店の名前に、ドイツ出身の著名な建築家の言葉である「Less is more(少ない方が豊かである)」から「(less)」を加えました。
「monoileという名前は、みんなでつけた大切なもの。店の形が変わっても、monoileとして価値のあるものを続けていく。その気持ちは変わらないので、かっこに入れました。」
お店を小さくするけれど、一つひとつに注ぐ時間と心を増やし、訪れた人に、より豊かな時間を過ごしてもらう。
新しい店名には、そんな思いが込められています。
現在、ケーキづくりを担うのは麻衣子さん一人。
平日でも8種類ほど、週末には多い時で13種類ほどが並びます。
けれど、決まった定番メニューはありません。
「今日は栗があるから栗のケーキにしようとか、最後に色を見て、こっちの果物の方がかわいいなと変えたり、少しジャズの即興演奏のように作っています。」
大まかなイメージを持って仕込みを始めても、クリームの絞り方や果物の組み合わせは、仕上げる朝に変わることがあります。
だからメニュー表を印刷するのは、ケーキが完成してから。
同じ季節でも、訪れるたびに違う一品と出会えるのが魅力です。
「次に来た時にはないかもしれないから」と、2つ選ぶ常連客もいるそうです。
使う果物や野菜の約8割は、丹波で採れたもの。
夏のブルーベリーやイチジク、ブドウ、秋の栗、冬のイチゴなど、季節の実りがケーキの表情を変えます。
たくさん届いた八朔(はっさく)は、一つずつ砂糖漬けにして保存し、焼き菓子やチーズケーキへ。
畑の恵みを、旬が過ぎた後まで大切に使い切ります。
ケーキは、思わず「わぁ!」と声が出るほど、しっかりとした大きさ。
「作っていたら大きくなってしまって」と麻衣子さんは笑います。
見た目の美しさだけでなく、食べた時の満足感まで届けたいという人柄が表れているようです。
商品の多くは持ち帰ることができ、来店客のおよそ8割がテイクアウトを利用します。
一方で、店内で過ごす時間も大切にしています。
子ども向けのドリンクは100円引きで、クッキーのおまけ付き。
小さなおもちゃや、おむつ替えの場所を用意し、年配の人がゆっくり座れる椅子も置かれています。
訪れるのは、赤ちゃん連れの家族から近所のお年寄りまで。
麻衣子さんの言葉をお借りするなら「0歳から100歳まで」がくつろげるお店です。
今は麻衣子さんと、長く店を支えてきた2人のスタッフで切り盛りしています。
いまの規模だからこそ、お客さんと言葉を交わし、スタッフの変化にも気づけるようになりました。
イベント参加の声がかかることもあるそうですが、あまり外には出ていかないといいます。
この場所でできることを丁寧に。
季節ごとに年4回作るクッキー缶や、おやつの詰め合わせ、お盆の朝喫茶など、お客さんのために、いつもの店の中に小さな楽しみを生み出しています。
「ここで100%の力を使い切ってしまうんです。だから、ここでできる楽しいことを考えていきたい。」
無理に広げず、目の前の人と時間を大切にする。
その選択が、店の穏やかな空気をつくっています。
店内のテーブルやトレー、棚、窓枠、木のおもちゃなど、随所に木の仕事が見られます。
その多くを手がけたのが宏泰さんです。
家具職人を目指して職業訓練校で学んだ宏泰さんは、旧monoileで家具を制作する傍ら、ランチを待つ子どもたちのために、ビー玉を使った木のおもちゃを作り始めました。
廊下に置くと、待ち時間を過ごす子どもたちに好評となり、少しずつ作品が増えていきました。
やがて作品をクラフトイベントなどに持ち出すようになりましたが、店の営業が忙しくなるにつれ、制作時間の確保が難しくなり、使い終えた作品は倉庫に眠るようになります。
そんななか青垣町の旧神楽小学校を活用した「FOREST DOOR」で、家具を展示しないかという話が持ち上がりました。
家具を目的に人を呼ぶのは難しいと感じた宏泰さんは、倉庫に保管していた木のおもちゃを並べることを提案します。
こうして2020年、「monoile Wood Toy Museum」が誕生しました。
当初は教室2部屋ほどで始まりましたが、現在は大小合わせて5部屋ほどに広がり、おもちゃの数も増え続けています。
まず訪れて驚くのは、作品数の多さです。
細やかな仕組みを持つものから、規模の大きな作品まで、目移りしてしまうほど。
その多くが木を中心に作られていることにも驚かされます。
館内に並ぶのは、ビー玉が螺旋(らせん)を描きながら落ちていくものや、ハンドルを回すと歯車や別の仕掛けが連動するものなど、思わず動きを追いかけたくなる作品ばかり。
受付でビー玉を受け取ります
眺めるための展示ではなく、実際に触り、動かし、音や手応えまで楽しめることが大きな特徴です。
子どもはもちろん、大人もすべて触って動かしてみたいと感じるはずです。
宏泰さんが好んで作るのは、ビー玉を上へ運び、転がし、再び元へ戻す、動きが循環する仕組みです。
まず簡単な図を描いて試作し、「思ったより上がらない」「重くて動かない」といった失敗を重ねながら、少しずつ形にしていきます。
制作そのものは1、2週間で進む作品もありますが、仕組みがうまくまとまらず、完成まで1年以上かかったものもあるそうです。
作者である宏泰さん自身が作品を管理し、土日祝日は基本的にミュージアムにも立っています。
壊れれば修理し、力のかかる部分を太くするなど、遊ばれ方を見ながら手を加えます。
中には15年ほど現役で活躍している作品もあります。
作って終わりではなく、人に触れられ、修理や改良を重ねながら、おもちゃも少しずつ成長していくと宏泰さんはいいます。
多くの人が遊ぶものだけでなく、ほとんどの人が通り過ぎても、一人の子どもが長い時間離れずに遊んでくれるものがある。
宏泰さんは、そのように一人ひとりが気に入った作品を見つけられるミュージアムにしたいと考えています。
10個作っても、思いどおりになるのは1個程度。
それでも、自分で考え、悩んだ時間がおもちゃの個性になると宏泰さんは考えます。
最近は、既存のおもちゃを見ても、以前ほど驚くような発見は少なくなってきたといいます。
つまり、自分自身が「驚く」「見たことがない」と感じる仕掛けを、これからより自らで生み出していく時が来たと宏泰さんは考えています。
普通の木の椅子に見えるが、背もたれの上部からビー玉が走る溝が用意され、座面の穴に落ちる仕掛けがされている
ミュージアムに立ち、感じたことがあります。
訪れると、まずは作品の数や豊富な仕掛けに目が行きますが、一つひとつをよく見ると、過度な塗装などはされず、木が本来持つ色合いや木目が生かされていることに気づきます。
「ウォールナット」は、木材の中でも特に濃い色合いを持ちますが、削ると紫がかった色を見せるものもあるそうです。
作品には、用途や強度に応じてさまざまな木が使われています。
異なる木を組み合わせることで、それぞれの木が持つ木目や色合いの違いも、作品の豊かな表情として楽しめます。
それは、シンプルに「木」を感じられるつくりだからこそ。
「Less is more(少ない方が豊かである)」
麻衣子さんのお話を聞いた後だったこともありましたが、この場所でも、ふとこの言葉が浮かびました。
木で作られた道筋を、透き通った赤や青の色鮮やかなガラスのビー玉が駆け抜けていく様子がさらに、印象的に心に残ります。
旧monoileから芽吹いた麻衣子さんと宏泰さんの仕事は、「(less) monoile」と「monoile Wood Toy Museum」という形となり、この丹波市で花開いています。
たくさんを求めるのではなく、自分たちが大切にできるものを選び、そこへ力を注ぐ。
料理と木工で表現する方法は違っても、お2人からお話を聞くと、とても似ているところがあると感じました。
小さくなったからこそ、豊かになった場所「(less) monoile」には今日も、その日にしか出会えない味と、ゆっくり過ごしたくなる時間が用意されています。
この空間を楽しんだ後は、大人の方も「monoile Wood Toy Museum」を訪れ、木工にかける探究心を感じてみてください。
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★丹波市観光サポーターの推しpoint|〈美咲さん〉
訪問前からカフェ営業日の朝に上がるインスタの種類豊富なケーキの写真が美しくてずっと行きたいと思っていたカフェです。
実際に訪れるとかわいくて美味しいケーキ、カラフルなギャべがオシャレでウッド調の落ち着く店内、広い窓から見える癒される景色、2回目の訪問でも覚えていてくださった親切なスタッフの方々どれも推しポイントです!
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★写真提供:丹波市観光サポーター美咲さん★
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「今度の週末、どこに行く?」
有名な観光地もいいけれど、誰かの「大好き!」が詰まった場所へ行ってみる。
丹波市を愛する『丹波市観光サポーター』が、大切に温めてきた「推し」をご紹介します。
楽しい、おいしい、美しい、そして新しい、丹波。
『TAMBA edit.』で見つける、等身大の贅沢な休日。
ページをめくるように、あなたの知らない丹波市をアップデートしてみませんか?
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https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/shokokanko/syoukokanko-oshirase/oshirase/12624.html
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「(less) monoile」基本情報
所在地|〒669-3305 兵庫県丹波市柏原町下小倉549-2
電話番号|0795-71-6499
営業日・営業時間|不定期。最新情報は公式Instagramでお知らせ
公式Instagram|https://www.instagram.com/monoile2011/
オンラインショップ|https://monoile.shop/
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「monoile Wood Toy Museum」基本情報
所在地|兵庫県丹波市青垣町文室244 FOREST DOOR(旧神楽小学校)内
営業時間|10:00~17:00(最終入館16:30)
営業日|毎日営業
入館料|大人(中学生以上)800円/小学生500円/2歳~小学生未満200円/2歳未満無料
電話番号|0795-87-5511
公式サイト|https://forestdoor.co.jp/room/monoile/
※営業日や料金などは変更される場合があります。訪問前に公式サイト・公式Instagramで最新情報をご確認ください。
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- 1980年代
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- 丹波市は、いままでも生活の中でよく立ち寄るまちでした。これからの取材を通して皆さまに魅力をお届けするとともに、自分自身ももっと丹波市の「おいしいお店」や「楽しい場所」、見どころを知っていきたいと思います!

