
2026年7月25日(土)から、丹波市立植野記念美術館で『キャラクター誕生30周年記念 ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット』が開催されます。
世界中で愛されるクレイ・アニメーションの世界を紹介するこの企画展は、夏休みに親子で楽しめる展覧会として注目を集めています。
そこで今回は、企画展の見どころはもちろん、植野記念美術館そのものの魅力について、丹波市立植野記念美術館の学芸員・永山宗史(ながやま そうし)さんにお話を伺いました。

丹波市氷上町にある植野記念美術館は、丹波市出身の実業家・植野藤次郎(うえの とうじろう)氏が寄贈した美術館です。
建物の外観は石造りで荘厳。
中国から運ばれた高さ約9.5メートルの石柱が並ぶ重厚な外観は、思わず足を止めて見上げてしまうほどです。
建物に使われている花崗岩の多くも中国から運ばれ、「建物そのものが作品になるように」という植野氏のこだわりが、外観からも感じられます。




そんな堂々とした建物とは対照的に、永山さんが目指しているのは「みんなが楽しめる地域の憩いの場」です。
「美術館は敷居が高いと思われがちですが、小さな子どもから大人まで、気軽に足を運んでもらえる場所にしたいんです。」
その言葉どおり、この美術館には美術を身近に感じてもらうための工夫があふれていました。

休憩スペースには、企画展に合わせた塗り絵が用意され、子どもたちが描いた作品が壁いっぱいに飾られています。
同じ下絵でも、一人ひとり違う色使いや表現が並び、作品を鑑賞するだけではなく、「自分でも表現してみる」楽しさが自然と伝わってきます。
こうした考え方は、「親子での美術館デビュー」をテーマにした「うえびのファミリー・プログラム」にも表れています。
スタッフと一緒に展示を巡る「うえびひよこつあー」、シールラリーや謎解きを楽しめる「うえびファミリーDay」、さらに「うえびで美術教室」など成長に合わせて美術館と関わる機会が用意されています。
幼い頃に親子で訪れ、大きくなっても美術館とのつながりが続いていく。
そんな場所を目指していることが伝わってきます。
植野記念美術館の魅力は、展示内容が季節ごとに大きく変わることにもあります。
夏休みは親子や家族で楽しめる企画展、秋は芸術ファンに向けた大型企画展、冬には植野氏のコレクション展や地域ゆかりの作家を紹介する展覧会など、一年を通して何度訪れても新しい発見があります。

取材時には、地元の県立高校・柏原高校出身の現代美術家・奥田善巳(おくだ よしみ)さんの企画展が開催されていました。


「存在」と「不在」をテーマにした作品は、一見すると難しく感じますが、永山さんの解説を聞きながら鑑賞すると、「作品に正解はなく、それぞれが自由に感じればいい」という現代美術の面白さが見えてきます。

また会場には、現在も柏原高校で美術を教える先生の作品も展示されていました。有名な作家だけでなく、地域ゆかりの作家や、今も地域で活動する人たちを紹介することも、この美術館が大切にしていることの一つです。

「丹波には、こんな作家がいるんだ。」
そんな発見が、地域の文化や芸術への興味、そしてふるさとへの誇りにつながっていきます。
こうした企画は思い立ってすぐに実現するものではありません。
大きな企画展では約3年前から準備を始め、全国の美術館を訪ねて巡回展の情報を集め、企画会社や所蔵先との交渉を重ねながら、一つの展示をつくり上げていきます。

「丹波市で開催するなら、この展示を届けたい。」
そんな思いを積み重ねて実現した企画の一つが、今回の「ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット」です。

会場には約200点の展示が並び、アニメーション制作資料やコンセプトアート、物語の世界を再現したジオラマなどを紹介。永山さんおすすめのジオラマは、小道具や背景まで細かく作り込まれ、大人も思わず見入ってしまう完成度です。
会期中は映画上映のほか、紙粘土を使った工作や手づくり絵本づくりなど、夏休みならではのワークショップも開催予定。作品を見るだけでなく、自分で作り、体験することで、子どもたちにとって忘れられない思い出になりそうです。

展示を楽しんだ後は、ぜひミュージアムショップにも立ち寄ってみてください。
企画展グッズのほか、「ひつじのショーン」「ウォレスとグルミット」関連グッズも販売予定です。


また、中国陶磁器や雑貨が並ぶショップコーナーでは、植野氏の「多くの人に文化に親しんでほしい」という思いから、コレクションの一部を購入当時の価格をもとに販売しています。思いもよらない特別な一品に出会えるかも!
植野記念美術館には、植野氏が長年収集したパプアニューギニアの民族資料も所蔵されています。
精霊像や木彫など、日本ではなかなか目にする機会のない貴重なコレクションも、この美術館ならではの見どころです。
今回は特別に、普段は入ることのできない収蔵庫も見学させていただきました。




布に覆われた大きなツボは、かつて植野氏の邸宅の庭に飾られていたものだそうです。
収蔵庫には、まだ展示されていない作品や資料も数多く保管されており、美術館の「舞台裏」を垣間見ることができました。
植野記念美術館では、永山さんをはじめ学芸員やスタッフの皆さんが、地域の作家を紹介、子どもたちが美術に親しめるきっかけづくり、「みんなが楽しめる地域の憩いの場」を目指し、日々さまざまな企画や展示づくりに取り組んでいます。
立派な建物や貴重なコレクションだけではなく、その積み重ねが、植野記念美術館の魅力なのだと感じました。
また、春には美術館前の加古川沿いに桜が咲き誇る圧巻の景色もお楽しみいただけます。
丹波市には、もっと地域の人に誇りに思ってほしい美術館があります。
この夏は「ひつじのショーン展」をきっかけに、ぜひ植野記念美術館を訪れてみてください。
展示情報
【キャラクター誕生30周年記念 ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット】
〈会期〉2026年7月25日(土)~9月27日(日)
アニメ「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」の世界を紹介する企画展。アニメーション制作資料やコンセプトアート、物語の世界を再現したジオラマなど約200点を展示します。世界初公開作品も展示予定です。
〈関連イベント〉
- 映画上映『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
- 紙粘土ワークショップ
- パラパラミニ絵本づくり
- 担当学芸員によるギャラリートーク(予約不要)
- 「うえびでイングリッシュ」など、親子向けイベントも開催予定。
〈うえびのファミリー・プログラム〉
「親子での美術館デビュー」をテーマに、小さなお子さまも楽しめるプログラムを実施しています。
- うえびひよこつあー(0~6歳対象・要予約)
- うえびファミリーDAY(シールラリー・なぞときクエスト)
- 親子向けワークショップ など
※一部イベントは事前予約が必要です。
施設情報
【丹波市立植野記念美術館】
〒669-3603
兵庫県丹波市氷上町西中615-4
〈開館時間〉
10:00~17:00(入館は16:30まで)
〈休館日〉
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間など
〈お問い合わせ〉
TEL:0795-82-5945
【公式ホームページ】
〈公式ホームページはこちら〉
※開館時間・休館日・イベント内容等は変更となる場合があります。ご来館前に公式ホームページで最新情報をご確認ください。
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- 1980年代
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- 丹波市は、いままでも生活の中でよく立ち寄るまちでした。これからの取材を通して皆さまに魅力をお届けするとともに、自分自身ももっと丹波市の「おいしいお店」や「楽しい場所」、見どころを知っていきたいと思います!

